本日のNVD分析対象は 200件、うち Critical 22件 / High 116件 です。最も緊急度が高いのは IBM Langflow OSS の認証なしリモートコード実行(CVE-2026-9198、CVSS 9.8) で、CISA KEV(既知の悪用脆弱性)に登録=実際の悪用が確認されています。ほかに golang.org/x/crypto のSSH認証バイパス(CVE-2026-46595、10.0)、Axios のNO_PROXY回避によるSSRF(CVE-2025-62718、9.9) が並びます。GitHub Advisory Database でも 621件が更新されました。
本日の概要
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| NVD 分析対象 | 200件 |
| Critical (9.0+) | 22件 |
| High (7.0-8.9) | 116件 |
| Medium (4.0-6.9) | 54件 |
| Low (0.1-3.9) | 5件 |
| GitHub Advisory(更新分) | 621件(Critical 94 / High 211 / Moderate 210 / Low 24) |
| OSV 新規Advisory | 9件(npm 9) |
| JVN(日本語) | 4件(Medium 3 / Low 1) |
| 影響エコシステム | npm, PyPI, Maven, Go |
Critical / High 脆弱性の詳細解説
CVE-2026-9198:IBM Langflow OSS の認証なしリモートコード実行(CISA KEV 登録・悪用確認済み)
- 深刻度: Critical(CVSS 9.8、CWE-94)
- 影響: IBM Langflow OSS 1.0.0 〜 1.10.0
- 概要: 認証を経ずに呼び出せるエンドポイントと、ユーザーコードを評価するエンドポイントの組み合わせにより、ネットワークから到達できる攻撃者が特権トークンを取得し、既定構成のままリモートコード実行に至ります。CISA KEV に登録済みで、実際の悪用が確認されています。AI/LLMアプリのプロトタイピングでLangflowをVPCや社内LANに公開しているケースは特に危険です。
- 修正: IBM のアドバイザリ(node/7278927)を確認し、修正版へアップデートしてください。当面はネットワーク到達範囲を絞り、認証・リバースプロキシでの保護を推奨します。
CVE-2026-46595:golang.org/x/crypto SSHサーバの認証バイパス
- 深刻度: Critical(CVSS 10.0、CWE-863 / CWE-303)
- 影響: golang.org/x/crypto の
sshサーバ実装を利用するGoアプリケーション - 概要: 過去の CVE-2024-45337 で修正された認可バイパスの再発です。公開鍵以外のコールバック(パスワード認証など)を設定している場合、送信元アドレス(source-address)の検証がスキップされ、本来許可されないクライアントの認証が通り得ます。自前SSHサーバを実装するGo製ツール(Gitホスティング、踏み台、CI連携等)が対象です。
- 修正: x/crypto を最新版へ更新してください。ディストリビューションでは Red Hat errata(RHSA-2026:23262 ほか)も配布されています。
CVE-2025-62718:Axios のNO_PROXY回避によるSSRF
- 深刻度: Critical(CVSS 9.9、CWE-918 / CWE-441)
- 影響: Axios 1.15.0 未満および 0.31.0 未満(npm)
- 概要:
NO_PROXYのホスト名正規化に不備があり、localhost.(末尾ドット)や[::1](IPv6リテラル)などのループバック指定が NO_PROXY 判定をすり抜けて設定済みプロキシを経由します。ループバックや内部サービスを保護しているつもりの構成でも、攻撃者がプロキシ経由でリクエストを強制でき、SSRF に発展し得ます。 - 修正: Axios 1.15.0 以降(0.x系は 0.31.0 以降)へアップデートしてください。極めて広く使われるHTTPクライアントのため、推移的依存も含めた確認を推奨します。
CVE-2026-29063:Immutable.js のプロトタイプ汚染
- 深刻度: Critical(CVSS 9.8、CWE-1321 / CWE-915)
- 影響: Immutable.js 3.8.3 / 4.3.7 / 5.1.5 未満(npm)
- 概要:
mergeDeep()/mergeDeepWith()/merge()/Map.toJS()/Map.toObject()の各APIを通じてObject.prototypeを汚染可能です。汚染はアプリの挙動改変やDoS、条件によってはRCEへ波及し得ます。npm では引き続きプロトタイプ汚染系が目立ちます。 - 修正: 該当系列の 3.8.3 / 4.3.7 / 5.1.5 以降へ更新してください。
CVE-2026-27459:pyOpenSSL のバッファオーバーフロー
- 深刻度: Critical(CVSS 9.8、CWE-120)
- 影響: pyOpenSSL 22.0.0 〜 26.0.0 未満(PyPI)
- 概要:
set_cookie_generate_callbackに渡すユーザー定義コールバックが 256バイトを超える値を返すと、OpenSSL側のバッファをオーバーフローします。26.0.0 では長すぎるCookie値を拒否するよう修正されました。 - 修正: pyOpenSSL 26.0.0 以降へ更新してください(Red Hat errata RHSA-2026:10754 ほか)。
CVE-2026-33815 / CVE-2026-33816:jackc/pgx v5 のメモリ安全性
- 深刻度: Critical(CVSS 9.8、CWE-787)
- 影響: github.com/jackc/pgx/v5(Go向けPostgreSQLドライバ)
- 概要: 広く使われるGo製PostgreSQLドライバ pgx v5 に、境界外書き込みを含むメモリ安全性の脆弱性が2件報告されています。Goアプリのデータアクセス層で採用しているケースが多く、影響範囲が広い点に注意が必要です。
- 修正: pgx を修正版へ更新してください(GO-2026-4771 / GO-2026-4772、Red Hat errata RHSA-2026:11070 ほか)。
CVE-2026-43125:Linux kernel dlm の境界外書き込み
- 深刻度: Critical(CVSS 9.8、CWE-787 / CWE-130)
- 影響: Linux kernel の分散ロックマネージャ(dlm)
- 概要:
dlm_search_rsb_treeにおいて、ネットワークメッセージ由来の長さパラメータが検証されず、DLM_RESNAME_MAXLENを超えると境界外書き込みが起こり得ます。GFS2/OCFS2 など dlm を使うクラスタ構成が対象です。同日には ICMPv6 処理の CVE-2026-43038(9.8)も修正されています。 - 修正: ディストリビューションが配布する修正カーネルへ更新してください。
CVE-2026-31938:jsPDF の任意HTMLインジェクション(XSS)
- 深刻度: Critical(CVSS 9.6、CWE-79)
- 影響: jsPDF 4.2.1 未満(npm)
- 概要:
output関数のoptions引数をユーザーが制御できる場合、生成PDFを開いたブラウザコンテキストに任意のスクリプトを注入できます。攻撃者が指定したオプション値がサニタイズされずに渡される構成が対象です。 - 修正: jsPDF 4.2.1 以降へ更新してください。回避策として、
outputに渡す前のユーザー入力のサニタイズを推奨します。
CVE-2026-5674:PipeWire のサンドボックス脱出
- 深刻度: High(CVSS 8.8、CWE-427)
- 影響: PipeWire(マルチメディアサーバ、Flatpak等のサンドボックス環境)
- 概要: PulseAudio互換レイヤーを悪用し、最小権限しか持たないサンドボックス内アプリから悪意あるライブラリを読み込ませることで、サンドボックス外での任意コード実行に至り得ます。Flatpakを多用するデスクトップ環境に影響します。
- 修正: ディストリビューションが配布するPipeWireの修正版へ更新してください。
その他、SSSD の LDAP sudo プロバイダの権限昇格(CVE-2026-14474、High 8.8:ldap_sudo_search_base 未設定時にディレクトリ全体を探索しroot昇格を許す)、Repomix のGitオプションインジェクション(CVE-2026-49987、High 8.8)、OpenShift Route のHAProxy設定インジェクション(CVE-2026-1784、High 8.8)、Safari/WebKit の解放後使用・型混同(CVE-2026-43705 / CVE-2026-43731、High 8.8)も更新されています。
エコシステム別サマリー
npm(OSV 新規)
- Nuxt:
<NuxtLink>のto/hrefにおけるjavascript:/data:スキーム未検証の反射型XSS(GHSA-934w-87qh-qr26)、navigateTo/reloadNuxtAppのオープンリダイレクト・スクリプト実行(GHSA-c9cv-mq2m-ppp3)、開発サーバーがDevTools workspace経由でプロジェクトルートを開示(GHSA-7c4v-fwgw-9rf7)。 - Astro:
transition:*ディレクティブ値、スロット名、View Transitionプロパティ、spread属性名の未エスケープによる反射型XSS群と、プリレンダー用エラーページfetchの Host ヘッダーSSRF(GHSA-2pvr-wf23-7pc7)。SSR構成では修正版への追随を推奨します。
GitHub Advisory Database(Maven / PyPI / Go 等)
- OpenAM:
AuthXMLUtilsのClass.forNameを悪用した認証なしRCE(CVE-2026-62379、Critical)。 - vm2:ホストプロトタイプ操作やエラー原因のサニタイズ不備によるサンドボックス脱出(CVE-2026-47698 / CVE-2026-47686、Critical)。vm2は開発終了済みのため、
isolated-vm等への移行を推奨します。 - MLflow:Webhook配信における認証なしの全文読み取りSSRF(CVE-2026-64849、Critical)。
- 本日は 621件と大規模な更新で、PyPI / Maven / npm / Go を横断します。SCA(ソフトウェア構成解析)での棚卸しを推奨します。
JVN 日本語情報
- JVNDB-2026-000116:Apache Allura のサーバサイドリクエストフォージェリ(CVE-2026-69223、CVSS 6.6 Medium)。プロジェクト管理ツール利用組織は確認を推奨します。
- JVNDB-2026-000113:Synology Assistant の不適切なファイルアクセス権設定(CVE-2026-4793、CVSS 6.7 Medium)。インストール時のアクセス権設定に問題があります。
- JVNDB-2026-000112:F-RevoCRM のクロスサイトスクリプティング(CVE-2026-71368、CVSS 6.1 Medium)。国内CRM製品のため利用組織は確認を推奨します。
まとめ
本日の最優先事項は、悪用が確認されている IBM Langflow の認証なしRCE(CVE-2026-9198、CISA KEV 登録済み) です。LLMアプリ開発でLangflowをネットワークに公開している場合は、修正版適用と到達範囲の縮小を最優先で検討してください。
依存関係経由では Axios(SSRF)・Immutable.js(プロトタイプ汚染)・jsPDF(XSS) といった極めて広く使われるnpmパッケージにCriticalが集中しており、推移的依存も含めた棚卸しが有効です。基盤側では golang.org/x/crypto のSSH認証バイパス(10.0)・pgx v5・Linux kernel dlm/ICMPv6・pyOpenSSL が影響範囲の広い修正で、計画的なアップデートを推奨します。
データソース: NVD (NIST), OSV (Google), GitHub Advisory Database, JVN iPedia (IPA/JPCERT/CC) AI解説は Claude API により自動生成されています。正確性については原文をご確認ください。
