本日はNVDで200件のCVEが公開・更新され、うちCriticalが20件、Highが81件です。最も注目すべきは、WildFly/JBoss EAPの基盤であるUndertowのHostヘッダ検証不備(CVSS9.6)で、キャッシュポイズニングやセッション乗っ取りにつながる可能性があります。AIツール Langflow の認証済みリモートコード実行や、Keycloakの複数脆弱性にも注意が必要です。
本日の概要
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 新規・更新CVE(NVD) | 200件 |
| Critical (9.0+) | 20件 |
| High (7.0-8.9) | 81件 |
| Medium (4.0-6.9) | 78件 |
| Low (0.1-3.9) | 18件 |
| GHSA 更新Advisory | 548件(Critical 46 / High 160 / Moderate 108 / Low 24 / 未評価 210) |
| 影響エコシステム | npm, PyPI(OSV監視対象) |
注: CVSS未評価(NONE)の項目3件は上表の深刻度別件数には含めていません。
Critical / High 脆弱性の詳細
JBoss/WildFly基盤 Undertow のHostヘッダ検証不備
- CVSS: 9.6(CRITICAL / CWE-20)
- 影響: Undertow HTTPサーバーコア(WildFly、JBoss EAP等のJavaアプリケーションで使用)
- 概要: CVE-2025-12543 は、Undertowが受信HTTPリクエストのHostヘッダを適切に検証しないため、不正な形式や悪意あるHostヘッダを含むリクエストが拒否されずに処理されてしまう脆弱性です。キャッシュポイズニング、内部ネットワークのスキャン、セッション乗っ取りなどに悪用され得ます。既存の脆弱性ですが、本日Red Hatから新たなエラータが公開され、関連する複数の製品ラインへの修正が進められています。同じUndertowでは、サーバ側ストリームリセットを悪用したDoS(CVE-2025-9784・CVSS7.5、通称「MadeYouReset」)も合わせて更新対象です。
- 対策: Red Hatの該当エラータに従い、WildFly/JBoss EAP環境のUndertowを修正版へアップデートしてください。
- 詳細: CVE-2025-12543 / Red Hat Errata RHSA-2026:0383
AI/LLMツールで複数の深刻なRCE脆弱性
- CVSS: 10.0(CRITICAL / CWE-95, CWE-94)が最高値
- 影響: Langflow 1.10.1未満、LMDeploy 0.11.1未満、GPT Researcher v3.3.7
- 概要: AIエージェント/LLM関連ツールで複数のリモートコード実行脆弱性が確認されています。Langflow は
PythonREPLComponentがサンドボックス化されずにPythonコードを実行してしまう問題で、認証済み攻撃者によるRCEと権限昇格が可能です。LLM推論ツール LMDeploy(CVE-2025-67729・CVSS8.8)は、モデルチェックポイントの読込時にtorch.load()を安全でない設定で呼び出しており、悪意あるモデルファイルの読込で任意コード実行につながります。GPT Researcher(CVSS9.8)は、クラフトされたHTMLページとのユーザー操作を通じて任意コマンドが実行される問題です。 - 対策: Langflowは1.10.1以降へ、LMDeployは0.11.1以降へアップデートしてください。GPT Researcherは現時点で公式な修正バージョンの情報が確認できていないため、信頼できないHTML/外部コンテンツを読み込ませないよう運用での回避を検討してください。
- 詳細: CVE-2026-10561 / LMDeploy Advisory / GPT Researcher CVE-2025-65720
Keycloak で複数の脆弱性(SAML検証不備・DoS・セッション固定)
- CVSS: 7.7(HIGH / CWE-1287)が最高値
- 影響: Keycloak(各CVEの対象バージョンはRed Hatエラータを参照)
- 概要: Keycloakで4件の脆弱性が更新されています。CVE-2026-2092(CVSS7.7)はSAMLブローカーエンドポイントが署名されていないレスポンス全体に含まれる暗号化アサーションを適切に検証せず、攻撃者が任意のプリンシパルになりすまし得る問題です。CVE-2026-4634(CVSS7.5)は不正なOIDCトークンリクエストによるDoS、CVE-2026-7307(CVSS7.5)はSAMLエンドポイントへの不正なXML入力によるDoS、CVE-2026-7507(CVSS7.5)は
/login-actions/restartエンドポイントのセッション固定で、悪用されると管理者アカウントの乗っ取りにつながる可能性があります。 - 対策: Red Hatの該当エラータに従い、Keycloakを修正版へアップデートしてください。
- 詳細: CVE-2026-2092 Errata / CVE-2026-7307/7507 Errata
npmサプライチェーン: shell-quote のコマンドインジェクションとPayload CMSの脆弱性
- CVSS: 深刻度はいずれもCritical評価(GHSA基準)
- 影響:
shell-quote1.11.0未満、payloadおよび@payloadcms/plugin-import-export3.88.0未満 - 概要: シェルコマンドのクォート処理に使われる
shell-quoteのquote()関数に、コメントトークン後の行末文字を介したコマンドインジェクションが見つかりました。また、CMS/バックエンドフレームワーク Payload では、SQLite/Postgresを使う構成での SQLインジェクション(CVE-2026-105845)と、Import/Exportプラグインのプロトタイプ汚染(CVE-2026-105844)が公開されています。 - 対策:
shell-quoteは1.11.0以降へ、Payload関連パッケージは3.88.0(またはcanary系4.0.0-canary.27)以降へアップデートしてください。 - 詳細: shell-quote Advisory / Payload SQLi Advisory
NestJS(Fastifyアダプタ)でミドルウェアによる認可バイパス
- CVSS: 7.4(HIGH / CWE-367)
- 影響:
@nestjs/platform-fastify11.1.11未満 - 概要: CVE-2025-69211は、NestJSで
@nestjs/platform-fastifyを使用し、MiddlewareConsumerやapp.use()経由のNestMiddlewareで認証・認可チェックを行っている場合に、FastifyのURLエンコーディング処理の差異を利用してミドルウェアをバイパスできる問題です。文字列パスやコントローラー単位でルートを指定している構成(例:.forRoutes('admin'))が対象で、保護されたルートへの未認証アクセスや、サニタイズ・検証処理のスキップにつながります。 - 対策:
@nestjs/platform-fastifyを11.1.11以降へアップデートしてください。 - 詳細: NestJS Security Advisory
エコシステム別サマリー
本日はOSV監視対象(16パッケージ)で計6件の更新がありました。npmでは引き続き Next.js の next/og(ImageResponse)経由のRCE(next 16.3.6で修正)と、Nuxtの navigateTo/reloadNuxtApp のURL処理不備(CVE-2026-56326、4.4.7/3.21.7で修正)が更新対象です。PyPIではDjangoのGeoDjango関連 CVE-2026-15307(GDALラスタ解析経由のファイル書き込み・外部通信、5.2.17/6.0.8で修正)と、深くネストしたジオメトリ解析によるDoS(CVE-2026-15830、6.0.8/6.1.1/5.2.17で修正)が継続して更新されています。いずれも未対応の場合は優先的に確認してください。
GHSAでは548件のAdvisoryが更新され、上記のshell-quote・Payload CMS以外にも、NuGetパッケージ MsQuic の証明書検証不備(CVE-2026-105794、2.4.20/2.5.11/2.6.1で修正)がCritical評価となっています。
JVN 日本語情報
本日のMyJVNでは3件公開されています。もっとも深刻度が高いのは、MCC製Universal Library for Linux (uldaq) のスタックベースバッファオーバーフロー CVE-2026-19477(CVSS7.8・High)で、計測機器向けライブラリを利用している場合は確認が必要です。また、国内で利用例の多い社内Wiki/ナレッジ共有ツールGROWIのアクセス制限不備 CVE-2026-100727(CVSS5.3・Medium)、Androidアプリ「チケット流通センター」の複数脆弱性(CVSS4.0・Medium)も公開されています。
まとめ
本日の最優先は、WildFly/JBoss EAPの基盤であるUndertowのHostヘッダ検証不備(CVSS9.6)です。関連するエラータが新たに公開されているため、該当環境は修正版への更新を進めてください。次いで、AIエージェント/LLM関連ツール(Langflow、LMDeploy、GPT Researcher)で複数のRCE脆弱性が公開されており、該当ツールを運用している場合は優先的に対応を検討してください。Keycloak、npm供給網(shell-quote、Payload CMS)、NestJS(Fastifyアダプタ)にも実運用への影響があり得る脆弱性が含まれていますので、該当する技術スタックを使用している場合は確認をお願いします。
データソース: NVD (NIST), OSV (Google), GitHub Advisory Database, JVN iPedia (IPA/JPCERT/CC) AI解説は Claude API により自動生成されています。正確性については原文をご確認ください。
