本日は新規・更新CVEが200件公開され、うちCriticalが26件と多めです。AIエージェント基盤(FastGPT・NocoBase)やAIコーディングツールの「自動承認」機構に深刻な脆弱性が集中したのが特徴で、CVSS10.0の認証なしSSRFも含まれます。あわせて MikroORM・Parse Server など Node.js 系OSSにも複数のCritical、Chrome には実際に悪用が確認されている脆弱性があり、早めの確認を推奨します。
本日の概要
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 新規・更新CVE | 200件 |
| Critical (9.0+) | 26件 |
| High (7.0-8.9) | 68件 |
| Medium (4.0-6.9) | 91件 |
| Low (0.1-3.9) | 13件 |
| 影響エコシステム | npm, PyPI |
Critical / High 脆弱性の詳細
CVE-2026-34162:FastGPT の認証なしHTTPプロキシ
- CVSS: 10.0(Critical) / CWE-306, CWE-918
- 影響: FastGPT 4.14.9.5 より前
- HTTPツールのテスト用エンドポイント(
/api/core/app/httpTools/runTool)が認証なしで公開されており、任意のURL・メソッド・ヘッダを指定した内部向けリクエストを代理送信し、その応答をそのまま返す状態でした。内部サービスへのアクセスや情報露出(SSRF)につながります。 - 対策: 4.14.9.5 以降へアップデート。外部公開している場合は特に優先度が高いです。
CVE-2026-34156:NocoBase のサンドボックス脱出RCE
- CVSS: 9.9(Critical) / CWE-913
- 影響: NocoBase 2.0.28 より前
- ワークフローのScriptノードが利用する
vmサンドボックスで、渡されたconsoleオブジェクト経由でホスト側のストリームに到達でき、プロトタイプチェーンをたどることでサンドボックスを脱出しrootでのリモートコード実行に至ります(認証済みユーザーが前提)。 - 対策: 2.0.28 以降へアップデート。
AIコーディングツールの「自動承認」バイパス(CVSS 9.8 が集中)
- CVSS: 9.8(Critical) / CWE-77, CWE-78
- 対象: CVE-2026-30310(Sixth)、CVE-2026-30311 / CVE-2026-30314(Ridvay Code)、CVE-2026-30312(DSAI-Cline)、CVE-2026-32917(OpenClaw)
- 「安全なコマンドだけ自動実行する」設計のホワイトリスト検証が、コマンド置換(
$(...)やバッククォート)や改行文字の混入によって回避され、ユーザー承認を経ずにコマンドが実行されてしまう問題です。AIエージェントに外部由来の入力を扱わせている環境ほど影響が大きくなります。 - 対策: 各ツールを最新版へ更新し、当面は「すべて自動承認」系の設定を無効化し、コマンド実行前に人手の確認を挟む運用を推奨します。
CVE-2026-34220:MikroORM のSQLインジェクション
- CVSS: 9.8(Critical) / CWE-89
- 影響: MikroORM 6.6.10 / 7.0.6 より前
- 特定の細工されたオブジェクトが生SQLの断片として解釈されるため、SQLインジェクションが成立します。TypeScript/Node.js 向けORMとして広く使われており、間接依存も含めて確認が必要です。同じ更新では、内部の
Utils.mergeを悪用するプロトタイプ汚染 CVE-2026-34221(9.1)も併せて修正されています。 - 対策: 6.6.10 もしくは 7.0.6 以降へアップデート。
CVE-2026-34400:Alerta のSQLインジェクション
- CVSS: 9.8(Critical) / CWE-89
- 影響: Alerta 9.1.0 より前
- クエリ文字列検索API(
q=)が、ユーザー入力をf-stringでSQLに直接埋め込んでWHERE句を組み立てていたため、Postgresクエリパーサ経由でSQLインジェクションが可能でした。監視基盤として運用しているケースが多く、露出面に注意が必要です。 - 対策: 9.1.0 以降へアップデート。
CVE-2026-34449:SiYuan の緩いCORSポリシー経由のRCE
- CVSS: 9.6(Critical) / CWE-942
- 影響: SiYuan 3.6.2 より前
- 悪意あるWebサイトを開くだけで、緩いCORS設定(
Access-Control-Allow-Origin: *等)を悪用してAPI経由でJavaScriptが注入され、SiYuan(Electron)のNode.jsコンテキストで実行されてリモートコード実行に至ります。同版では保存型XSSの CVE-2026-34448(9.0)も修正されています。 - 対策: 3.6.2 以降へアップデート。
CVE-2026-34532:Parse Server の認可バリデータ回避
- CVSS: 9.1(Critical) / CWE-863
- 影響: Parse Server 8.6.67 / 9.7.0-alpha.11 より前
- 関数名に
prototype.constructorを付与することで、Cloud Functionのバリデータ(requireUser/requireMaster等)による保護がすべて素通りし、本来保護されるはずの関数を未認証で呼び出せてしまう問題です。 - 対策: 8.6.67 もしくは 9.7.0-alpha.11 以降へアップデート。
CVE-2026-34361:HAPI FHIR の認証トークン窃取
- CVSS: 9.3(Critical) / CWE-552
- 影響: HAPI FHIR 6.9.4 より前
- FHIR Validatorの未認証エンドポイント(
/loadIG)が任意URLへ外部リクエストを行い、URL前方一致の判定不備と組み合わさることで、正規のFHIRサーバ向けに設定した認証トークン(Bearer / Basic / APIキー)を攻撃者ドメインへ送出させられます。医療系連携基盤で利用されるため影響に注意が必要です。 - 対策: 6.9.4 以降へアップデート。
その他の注目 High
- CVE-2026-5281(8.8, Google Chrome / Dawn の Use-after-free): CISA KEV(悪用が確認済み) に登録されています。146.0.7680.178 より前が対象で、レンダラープロセスを侵害した攻撃者による任意コード実行につながります。146.0.7680.178 以降へ速やかに更新を。
- CVE-2026-34227(8.8, Sliver): C2フレームワークの操作画面で、悪意あるリンクのワンクリックにより未認証攻撃者がセッションを掌握しうる問題。1.7.4 で修正。
- CVE-2026-34172(8.8, Giskard):
ChatWorkflow.chat()の引数がJinja2テンプレートとして評価され、ユーザー入力を渡すとRCEに至るSSTI。0.3.4 / 1.0.2b1 で修正。 - CVE-2026-34792〜34797(8.8, Endian Firewall):
logs_*.cgiのDATEパラメータ経由のOSコマンドインジェクション(認証済み)。3.3.25 以前が対象。 - CVE-2026-24164(8.8, NVIDIA BioNeMo): 信頼できないデータのデシリアライズによるコード実行等。ベンダ提供のパッチを確認。
- D-Link 旧世代NAS / Tenda 等: EOL製品を中心にスタックバッファオーバーフローが複数(CVE-2026-5211 他, 8.8)。エクスプロイト公開済みのため、該当機器はネットワーク分離・リプレースを検討してください。
エコシステム別サマリー(npm / PyPI 中心)
- npm: Next.js に多数のCVEがまとめて公開されています(SSRF・キャッシュ混同・DoS・ミドルウェア認可バイパス等。いずれも 15.5.21 / 16.2.11 で修正)。React の Flight プロトコル経由RCE(CVE-2025-55182、React 19.x系で修正)や、Astro のXSS・認可バイパス系(6.4.8 / 7.0.4 / 7.0.6 / 7.1.0 等)も複数あります。
- PyPI: Django の STARTTLS 失敗時のコネクション再利用による平文傍受(CVE-2026-7666、6.0.6 / 5.2.15 で修正)。
自社スタックが Next.js の場合は、next を 15.5.21 もしくは 16.2.11 以降へ揃えるのが最優先です。あわせて MikroORM を使っているプロジェクトは、直接・間接依存の両方でバージョンを確認してください。
JVN 日本語情報
- 本日(MyJVN)は該当する日本語の脆弱性対策情報の配信はありませんでした。
まとめ
本日はCriticalが26件と多く、傾向としてはAIエージェント基盤とAIコーディングツールの「自動承認・サンドボックス」まわりに集中しました。これらは利便性のために外部入力をコマンドやテンプレートとして処理する構造が多く、検証の抜けがそのままRCEに直結します。運用中のツールは最新版へ更新しつつ、当面は自動実行系の設定を絞る対応を推奨します。加えて MikroORM・Parse Server といった Node.js 系OSS、そして CISA KEV 登録済みの Chrome の脆弱性(CVE-2026-5281)は優先度が高いため、影響バージョンを特定のうえアップデートを検討してください。
データソース: NVD (NIST), OSV (Google), GitHub Advisory Database, JVN iPedia (IPA/JPCERT/CC) AI解説は Claude API により自動生成されています。正確性については原文をご確認ください。
